分野名 地域・在宅看護学
概 要  公衆衛生看護と在宅看護に関する研究教育分野である。公衆衛生看護領域では、行政保健師の活動、学校保健、産業保健など、対象とする生活集団全体の健康レベルの向上を目指した看護活動の方法を探求する。在宅看護領域では主として、疾病や障がいを持ちながら社会生活を送る人とその家族のQOL向上のための看護の方法を探求する。
研究内容  公衆衛生看護、在宅看護、地域看護学教育の方法、という3本の柱を常に意識して取り組んでいる。県内のさまざまな組織・機関と連携した研究も行っており、過去には、水害を受けた村の管轄保健所の保健師の活動を分析して、行政保健師の役割を検討した。最近では保健師と共同で生活習慣病予防のための保健指導の効果を追跡する研究や、訪問看護師と共同で在宅における感染予防のスキルアップに関する研究、また、長野県の地域特性をふまえて、山間地域の町村、訪問看護ステーション、診療所等の看護活動に関する研究などにも取り組んでいる。
学 部
授業科目
概 要
地域看護概論
公衆衛生看護の理念に基づき、地域社会における人々の生活の営みに即した方法で、あらゆる健康レベルにある個人・家族、集団、地域を対象とした看護のあり方を学ぶ。そして、人々の健康に貢献するために、看護がどのように機能することが求められるのかを考察する。
地域看護方法T
疾病や障がいの有無に関わらず、地域に生活するあらゆる健康レベルの人を対象として、対象者個人、家族、その対象者が属する生活集団全体を視野にいれ、健康障害の発生を未然に防ぐことを重視した看護活動の考え方と活動方法を学習する。
方法Tでは、わが国のヘルスケアシステムの理解とライフステージの特性に応じた看護活動について学ぶ。また、学校生活における保健活動と看護、労働生活を営む人への保健活動と看護についても学ぶ。
地域看護方法U あらゆる健康レベルの人々が生活する地域の集団を対象として、その健康生活を支援するための予防的看護の考え方と看護活動の方法を学習する。
ここでは、公衆衛生看護の活動理論としての地区活動および地区診断の方法、地区活動計画の作成過程を学ぶ。加えて、地域における健康危機管理について学習する。
家族看護論 地域社会を構成する最小単位である家族についての看護学的理解を深め、家庭を1つの援助単位として展開する看護に有用な理論と援助技術を学習する。
在宅ケア論 在宅療養者とその家族に対する看護援助における基本的な考え方を理解し、看護援助のための必要な知識と看護援助の考え方を学ぶ。
在宅ケア方法T 在宅で療養する人とその家族のニーズアセスメントの方法と援助方法を学ぶ。ケアプランに基づいた看護職による援助とチームアプローチの方法を学ぶ。
在宅ケア方法U 在宅療養する人とその家族に対する支援の方法と看護職の役割を学ぶ。地域を基盤として展開する訪問援助の特徴と方法について学ぶ。
地域看護実習

公衆衛生看護活動について、市町村保健センター、保健所、学校等の場で実地に体験し、地域の生活集団を対象とした看護活動の方法とその展開に必要な技術を学ぶ。

具体的には、@実習地区における保健医療福祉システムの概要と、保健師や養護教諭の活動の成り立ちを理解する。A家庭訪問を実地に体験し、家庭訪問による看護援助の基本技術を学ぶ。B実習期間中に行われる保健事業に参加し、相談的対応技術や教育的対応技術を学ぶ。

在宅看護実習 在宅療養者(児)とその家族を支える在宅看護の活動の場を体験し、在宅看護の活動の方法と実際を学ぶとともに看護職の役割を考える。また、在宅療養者(児)とその家族に関わる在宅ケアチームと看護職との協働を考える。
大学院(前期)
授業科目
概 要
地域・在宅看護学特論T
援助対象者を含む家族を1つの単位として行う家族支援を展開するための実践力に必要な理論と援助方法を学習する。地域看護における家族支援では、職場内外の様々な職種と協力しながら支援を進めるため、双方の価値が対立する場面に直面することが多い。そのため、倫理的問題として認知する感度を高め、倫理的視点から問題を検討できる能力を養う。さらに、個人、家族の生活様式や健康に対する価値観、行動変容に影響するその地域の文化に考慮できる能力を養う。
地域・在宅看護学特論U コミュニティ全体に焦点をあてた看護活動(公衆衛生看護活動、Public Health Nursing ,Community-Oriented Nursing)の展開の基盤となる、PDCAサイクルを推進するための、地区診断および地区活動計画、活動評価の理論と方法を学習する。科学研究におけるエビデンスの特徴を理解して、地域看護活動に活用できるエビデンスとは何かを考察する。
地域・在宅看護学演習T 地域社会を構成する最小単位である家族を1つの援助単位として捉えた援助に必要な能力を高めるとともに、援助のあり方を探求する能力を養う。家庭訪問援助を継続して行い、その援助過程を振り返ることを通して、自己の援助を客観的に振り返る能力を養う。
地域・在宅看護学演習U 地域看護活動の展開方法(地区・地域診断、活動計画の作成、実施、評価)に必要な能力を養い、地域のニーズに沿った看護活動のための実践能力の向上を図る。具体的には、ヘルスケアシステムの領域を設定して、情報収集、参加観察等を行い、ヘルスケアシステムにおける保健師の役割機能を探求する。さらに、地域看護学教育の方法を理解するとともに、現任教育の課題を検討する。
大学院(後期)
授業科目
概 要
地域・在宅看護学特論V
あらゆる健康レベルにある人々の生活条件に即した看護援助の方法について、1)行動科学的アプローチに基づき対象者の認識に働きかける方法、2)対象者を含む家族を一つの援助単位として捉え、家族のセルフケア能力の向上をめざした援助方法、3)ケア資源の有効な活用のための方法等について、文献を用いて検討する。対象者のニーズに対応させてケアサービスを組織化し、管理・調整する看護の方法として、ケアチームづくり、保健医療福祉サービスの事業化等の展開方法を分析し、活動の構造を論述する。
地域・在宅看護学演習V
地域・在宅看護学特論Vで探求したテーマに関して、関連する理論、概念について文献検討を行い、看護学研究における位置づけと課題を考察する。また、テーマに即した看護活動事例を分析して、ヘルスケアシステムのサブシステムとして機能するための看護実践上の課題を検討する。これらを通して、地域看護の特徴を踏まえた研究方法を論述する。