4月4日(木)  
  今日も7時にモーニングコールを頼んだのに7時37分に電話が来る始末。とは言え、猛烈な睡魔には勝てず、8時7分の内田先生のコールでやっと起きたので、オペレータを責める資格もないのだが。昨日、というか3時間ちょい前に完成した書類をコピーすべくホテルのビジネスセンターとやらに電話し、コピーを依頼。一枚50seneである。ちなみにサモアの通貨はタラ(Tara)であるが、これがダラー(Dollar)から由来していることは、その下の通貨単位であるセネ(Sene)を見れば明らかであろう。さて、コピーも終わり、内田先生と今日のアジェンダおよび昨日の議事録を確認し、9時20分にPeneの車に乗る。9時30分にNUS本校に到着。NUSのComputer Lab.でPractical Usage of Microsoft Excel for Researches in Nursing と題する昨日急ごしらえのプログラムを行なう。参加者はEseta, Ma, Tauaitala、少し遅れてVipulaの4人であった。これは、Pre-testおよび本調査のデータを入力する基礎となる手技を体得することを目的として実施した。まず、NUSのE-mail addresを得るためのレジストレーションフォームを記入してもらい、その後、その下のアンケートに回答してもらった。選択肢はこの手のアンケート用紙によくありがちな、順序尺度の3択、複数回答、名義尺度の2択、間隔尺度の数値記入、などを織り交ぜた。回答後、コーディングについて考えてもらう。つまり、データをコンピュータが計算しやすく、しかも入力しやすい形に変えることである。コードは右手だけで入力できるよう、すべて数字とした。どうもコーディングという概念ががあまりよく伝わらなかったようで、最初から独自のコーディングルールを考え出したのはEsetaのみであった。最難関は複数回答の部分であるが、ここでも彼女は独創的な考えを披露した。まず、彼女はWord, Excel, Power Point, IE, OEに1から5までの番号を振り、選ばれたものを番号化するという一般的なコーディングルールを作った。しかしそれでは、たとえばWordとExcelを使用したことがあるという場合、どうやって入力するのか、と尋ねたところ、一瞬にして合点したらしく、次なるコーディングルールを考え出した。それは、考えられる組み合わせにひとつずつ数字を割り振るということである。たとえば、Excelだけなら1、Wordだけなら2、ExcelとWordなら3という風にである。このやり方だと、たしかに組み合わせに対して一意的にコードが決まるが、どのような組み合わせがあるかを予め知る必要がある、と言うとすぐに合点して次なる方法を考えることになった。かくして、それぞれがそれぞれのコーディングルールを考えるに至った。ただ、難点は、一斉に聞くということがなく、個別に応対しているときにだけ反応するということだ。自分の番でないときにはソリティアをしている人もいた。したがって、同じことを4回言わねばならないことがしばしばあった。一般的なコーディングルールを示した後、次なる課題、「インプット」に移るためにそれぞれのアンケートを回収、4人分のコピーを取り、もう一度それぞれに4人分のアンケートを配付した。まず、連続的なIDを振るという作業にとりかかってもらった。入力されたデータに何か不都合があった場合にオリジナルにあたれるようにユニークな連番をふる。ここではserialもしくはconsecutiveが正しく捉えられず単にユニークな番号を振るだけの者もいたが、それはご愛嬌。その後、提示したコーディングルールに従って、4つの調査票それぞれのコーディング作業に取り掛かった。
次に、エクセルである。まず、タイトル行の作成を行なう。1行目にID, Q1, Q2などのフィールド名をエントリーする。タイトル行が完成すると次はコードの入力であるが、テンキーを使用して右手だけで入力するために、enterキーを押したときにセレクションが右に移動するように設定を変更する。方法はtool>option>editで"when enter key is pressed, selection move to down"をrightに変更する。そして、エンコードした数字を右手でインプットしていく。たかだか4つぐらいのレコードならこのような手順は必要ないかもしれないが、来たる本調査では多くのデータを入力するので、右手だけで入力する方法は重要だ。また、エクセルは列が230しかとれないので列はフィールド、行をレコードに割り当てるのが正しい。かくして、データのインプット作業が終了する。次に計算式を入力しインプットされた身長体重からBody Mass Index(BMI)を算出してセッションを終えた。
昼飯を食おうとレストランに行く途中、その階下にコンビニエンスストアを発見した。ここで、Diet Coke(普通のがよかったがDietしか置いてなかった)と水とスポーツドリンクのようなものを購入。ST10であったがST50札を出すと、釣り銭がST30しかないから、あとで部屋に持っていくという。これからレストランに行くから、そこに持ってきてくれと言い店を出る。
Hamburger Deluxを注文したのが13時35分。14時のピックアップには十分間に合うと考えたが、そのでらっくすが出てきたのが13時56分。しかもできたてで十分に熱い。フードファイターよろしく14時完食、なわけねーだろ。14時になぜここがわかったのか不明だが、ピックアップの車が来た、とフロントからレストランに電話がかかってきた。フライドポテトを数本残し、早々にレストランを出た。
午後、NUS本校で原氏と会談。講道館から届いたという柔道着が山積みされているオフィスで1時間余。Savaii, Samoa, American Samoaの話が印象的。Savaiiは精神世界が尊ばれる島であるが、西に行くに従い、つまりAmerican Samoaに行くに従い、その傾向が薄れるという。多くのSavaii出身のSamoaの住人はいずれSavaiiに帰ることを望むらしい。ほかに、NUSと提携している大学のうち琉球大学が何とかって言う助成機関の資金を利用してサモア大学との交換留学プログラムを今年から開始するというニュースを聞く。さて、長野県看護大学がこのようなプログラムを開始するためには、まず、サモア大学の学生が受講できるような科目を設定しcross-creditできる仕組みを作る必要がある。そのためには、NUS看護学部のシラバスを手に入れる必要がある。どうやらシラバスは学生らには公開されていない「理事会資料」のようで、Fulisiaからゲットしようと心に決める。
大学事務局で自分のパソコンをInternetにつなぐためにNUS内に使えるジャックはないか尋ねたところ、事務が問い合わせた先のコンピュータラボマネージャのIoritana(再度登場)がAdministration Officeのジャックを使用できるように交渉してくれた。この交渉と調整に時間がかかったため、内田先生には先にPeneの車で帰ってもらった。Administration Officeでの作業は、たとえばほかの大学の教員が、長野県看護大学の事務室で作業をするようなもので、あまりいごこちのよいものではない。しかし、背に腹は代えられないので、作業後、明日も来る、と言ってOfficeを後にする。
タクシーという手もあったが、歩いて帰ることにした。正門を出るまでの間にすっかり汗だくである。正門をでると、広い道まで出るのに5分ほどかかる。ちょうどぽっけ倶楽部のポジションにNUSの看板があり、これが正門に至る道の道しるべだ。途中、ガバメントスクール(日本で言うと学芸大学附属中学のポジション)の学生が「コンニチワ」などと元気な声をかけてくる。こちらは、汗だくでへとへとになりながら「こんにちは」と返す。ホテルの近くで何だか遠くから手を振っているひとがいるな、と思ったらシニアボランティアの斉藤さんだった。日傘に白衣で仕事の帰りだという。ホテルまで30分弱の道のりであった。部屋で水を浴びたが汗はなかなか引かなかった。
汗だくになった作務衣を含め、たまった洗濯物を洗おうとホテルのランドリーに行く。コンビニで洗剤を買おうとしたがすでに店じまいしていた。水洗いでいいか、と思いつつランドリーの中に入ると、ちょうどホテルのリネンを洗う部屋の扉が開いており、中にいた従業員に洗剤あるかと尋ねると、1タラだというので1タラ渡すと、奥からプラスチックの容器に入った洗剤を持ってきた。洗濯にいくらかかるかと尋ねると4タラでトークンを買って洗濯するんだというので4タラ払うと、またもや奥に行ってネコちゃんの形をしたトークンを持ってきた。そのまま観察しているとプラスチックの容器の中の洗剤を計量カップみたいなもので無造作に入れていた。単に業務用の洗剤を流用しただけだ。洗濯に何分かかるかと尋ねると45分だと言い、続けて乾燥するかと尋ねられた。45分もかかるとすると、Fulisiaの招待に遅れてしまうので、乾燥させたいが、外出するのでやめておくというと、自分が乾燥して部屋まで持っていってやるという。これは渡りに船なので乾燥機の4タラとチップの1タラを渡し、ランドリーを後にする。
18時30分、JICA三村氏のピックアップで、いわゆるサモアンダンスのディナーショーが行われているKitanoなんたらとかいうホテルに向かう。私ときたらハワイアンみたいなどちらかというと生ぬるい踊りを漠然と想像していたが、汗をびしばし飛ばしながら踊るきわめて激しいダンスであった。圧巻はファイアーダンスであり、そのダンサーの一人は看護学部の学生だという。
22時帰室。23時30分就寝。 
 
 

 
 

Last Updated: Fri, 2002-04-26 11:13 am
Jukai Maeda (Nagano College of Nursing)